2013年04月20日

電子書籍サービス終了から考えたこと【Raboo終了、楽天もともとやる気なかっただろう……】

■Raboo終了
二年ほど前以下のような記事を書きました。

2011年08月13日 【Raboo】電子書籍って成功させる気あるの?

という記事を書きました。
専用端末という敷居の高さ、そして閉鎖的なマーケットである事を理由に、私はやる気ない、と感じていました。
で本当にやる気なかったみたいですね。

Rabooサービス終了のお知らせ
http://ebook.rakuten.co.jp/event/raboo/

2013年3月31日に閉鎖したようです。購入したコンテンツはダウンロードなど一切できなくなったみたいです。
最悪です。楽天は最悪と言っても過言ではないんじゃないでしょうか?

2011年8月10日オープンで2013年3月31日閉鎖です。
僅か一年半しか稼働していなかったわけです。ユーザー数がどれくらいいたかはわかりませんが、rabooを利用していたユーザーにとってはまさに許しがたい行為かつ、今後電子書籍を信用できなくなる消費者に対する背信的な行為だと思います。
救済措置は大したものではないです。購入したもののポイント10パーセントを還元する、koboを3000円引きで提供するというもの。
最悪です。救済措置としては最悪です。楽天は最悪の事をしました。電子書籍の信用を一気に貶めます。


■これから電子書籍サービスを利用するにあたって
電子書籍のサービスのそのほとんどが、将来性の保証されていない、いつ終わるやもしれないサービスという事を気に留める必要があるという事でしょう。
そして、本を購入するという感覚を持ってはいけないという事です。
企業のサーバーからその本を見る権利を付与れているに過ぎない、という事です。

本を購入しているわけではなく、本を見る権利を持っているだけです。
この見る権利は、企業側の都合でいつでも剥奪されてしまいます。

ローカルに保存もできるでしょうが、それは自由に扱える形式ではなく、バックアップなどは非常に面倒というか難しいです。例えばAndroidアプリの場合だったら、アプリデーターごとバックアップする必要があります。

例えばkobo電子書籍の販売規約には以下のような文章があります
http://rakuten.kobobooks.com/termsofsales
Koboサービスは、幅広いコンテンツの販売を提供できるよう最大限の努力をします。
そのため、Koboは、通知なく、コンテンツの販売状態を変更することができます。ときには、商品の購入後、ダウンロード前に利用不能となる場合があります。かかる場合の救済として、お客様はその商品に支払った金額の返金を受けることのみが可能です。このような場合には、Koboカスタマーサービスにお問い合わせください(下記参照)。

お客様は、コンテンツの購入後速やかに、コンテンツをお手持ちのKobo対応端末にダウンロードしてください。原則としてお客様はお持ちの端末にはコンテンツを必要に応じて何度でも再ダウンロードできる設定ですが、出版社または権利者の意向等により、随時Koboのサーバーから削除されるコンテンツもあります。その場合、お客様には事前に告知を行うよう努めますが、緊急の場合等、お知らせが事後となることもあります。Koboは全てのコンテンツにつき、無期限にダウンロードできることをお約束・保証するものではありません。


やはり無期限にダウンロードを保証するものではないのです。
前述の下線部は、ダウンロード前に購入できない状態に陥った場合は返金する、というように読めます。つまりダウンロード後購入できない状態になっても返金はされない可能性はあります。
その直前で、「コンテンツの購入後速やかに、コンテンツをお手持ちのkobo対応端末にダウンロードしてください」と言ってるあたりも、一度ダウンロードしてしまえばあとは知らん、という姿勢が窺えます。

おそらくこれは楽天koboに限った話ではないでしょう。Amazonkindleやそのほかの電子書籍サービスも同じだと思います。

例えばソニーも楽天と同じ事をやっています。

Engadget日本語版
2012年2月15日 PSP コミック配信が終息。購入は9月まで、再DLやビューア提供も年内終了
記事の最後は以下のような言葉で皮肉的に締めくくられています。
PSPコミック配信は3年足らずの実験的な規模で終息することになりましたが、今後に向けて「独自形式の電子書籍はサービスによっていつ終了するか分からない・連載終了まで続くか分からない」というメッセージを強く印象づけることには成功したといえそうです。



■電子書籍クラウドサービスはいつでも終了できる
サービスはいつでも終了し、そして終了後は利用できない、という風に考えて買う必要があります。
またはサービス終了まで行かずとも、例えばシリーズものが途中から、販売されなくなるなんて可能性も十分に考えられます。
サービスが終了した時、あるいは何らかの問題が起きたとき、我々は初めて、「デジタル形式の本を購入したわけでなく、デジタル本を見れる権利を付与されただけで、そしてその権利は簡単に剥奪できる」事に気づきます。例えばアマゾンkindleでも以下のようなことがあります。

GIZMODO
2012年10月30日 Kindleで購入した本を所有することはできない

紙ならば1000年もつことだってあります。あくまでも保存状態が良ければですが。
まあ1000年持たなくても、自分が生きている間、100年くらいは持ってほしいよね、と考えます。
ところが会社が100年持つっていうのは結構難しいです。倒産したり合併したり……


■会社の寿命は短い
会社の寿命はとても短い。人間の寿命よりも短い。
大手企業だからこそ、電子書籍のようなサービスができるわけであろうが、大手企業が今後100年いやあるいは50年後に続いているかどうか、それは分からない。10年後さえ怪しい。
会社がなくなってしまえば、当然電子書籍のサービスなんか続けられるわけがない。

本ならどうか。本にも無論弱点はある。
例えば火事になり本が焼けてしまえばそれまでだ。その点クラウドに保存されているデータが読める権利は消滅しない。
場所をとるという弱点もある。本棚をたくさん買うより、電子書籍リーダーをひとつ持っておけばいい、という話でもあるかもしれない。
持ち運びに融通が利かないし。

しかし、本の弱点は結局そう言った部分でしかない。
クラウドの寿命も未知数だが、企業の寿命よりは短いという事になるだろ。
会社の寿命を計算した記事がある。以下のものだ。

中小企業経営者ブログポータル―情勢・展望・戦略
2010年5月6日 会社の寿命と人の寿命を比べてみる
会社の寿命は10年続く企業は51.6%、20年続く企業は27.5%、30年続く企業は17.6%、40年続く企業は10.6%、50年続く企業は6.8%、60年続く企業は4.4%、90年続く企業は1.1%となる。


こういった計算は計算方法によって異なるし、この方が参照している情報も最新のものではない。
しかし、まあ、そうはいってもやはり企業の寿命というのは短い。
人間よりもはるかに。

電子書籍サービスは、著者権保護のためにクラウド経由でしか見られなかったり、専用のビューアーでしか見られなかったりで、本の保存・保管は出来ない。

データの利点の一つとして、バックアップが取れるというのがあるが、電子書籍現在の形態はそれを許さない。許さないくせに勝手に終わっちゃうわけである。
バックアップさえ取れるならば、クラウドに置いておき、自分は自分のローカルに保存しておき、どちらかがダメになっても大丈夫。そう言った利点は完全に殺されているのである。


電子書籍は便利なサービスで個人的にはたくさん利用したいと思っているが、やはり注意は必要である。
購入するという意識をしてなければ利用できない、あるいは利用していたら楽天やアマゾン、ソニーに足元をすくわれる。少なくとも楽天とソニーのサービスは使いたくないな、というのが本音だ。



posted by Y1 at 15:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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