没有钱(お金がない)
まず、お金が結構ギリギリだった。ホテル代金もやべーぎりぎりじゃん、って感じだった。
それなのに、入るはずだった安い部屋が空いてなくて、100HKD高い部屋に変えられてしまった。
結局、一緒に泊まったロシア人にデポジット返してないわ・・・申し訳ない。
そしてもっとも絶望的だったのが、携帯電話もろもろを中国の寮に忘れたこと。
ロシア人の友人が香港から中国へ戻った後、それに気づいたのだ。
自分が、香港から日本へ立つ前日の出来事だった。
友達とコンタクトを取り、香港空港で合流し、受け渡しをしようということになった。
なったはいいが、香港空港まで往復でどうやっていくよ…?
それくらい金なかった。クレジットは、日本から持ってきていたのがあったけど、1枚は一度落としてしまい、止めていた。もう一枚は中国滞在中に期限切れ。
日本語教師のアルバイト代が入るはずだが、その日の朝確認したときは入ってなかった。
地球の歩き方で、空港の往復料金を調べる。便利なMTR(地下鉄)があるが、その往復料金は持っていない。
MTRとバスを駆使すればいい!
MTRで途中まで行き、そこからバスにのれば、うまくいけば、往復で30HKDくらいでなんとかなる。
そして、次の日再び空港に舞い戻らねばならぬことを考えても、手持ちのお金でどうにかなりそうだった・・・いや、どうにもならなかった。記憶に定かでないが、多分、お金20とか30HKDくらいしかなかったのかも。
いや、デポジットがある。でもデポジットが返ってくるのは明日だ。
どうすればいい・・・・?
その時思いついたのが、オクトパスを解約することだった。オクトパスは交通の、電子カードだ。スイカとかニモカ想像してもらえばいい。
これにチャージしてバスや電車に乗れる。買い物も提携店では可能だ。
デポジットをとられ、購入する。
解約するときは、残っているお金が返ってくる。いくらかは覚えてはいないが、これを解約すればなけなしのお金が戻ってくる(もしもお金がたくさん入っているなら、それでバスに乗って空港まで行けばいい話だ、だからなけなしのお金しか入っていなかったのだろう)。
ルートを何度も確認し、出発を決意。幸い、友人が付くにはまだまだ時間がある。
オクトパスを解約し、なけなしの金が戻ってくる。MTRに乗る。
没有公车(バスがない)
その時九龍という場所のホテルに泊まっていたのだが、MTRで青衣という場所まで行った。そこからバスに乗ればいい。
ところが、青衣でバスを探すも、見つからない。
大きなバス停があるのだが、幾度探しても空港行きがないのだ。
結構な時間探し回るも、見つからない。反対の乗り場か?と思いそっちに行くが、どうも違う気がする。
中国語は勉強してるが、香港の人に通じるのだろうか?
そもそもつたない中国語だ。
でも聞くしかない。聞いてみた。
しかしなんか勘違いされたらしく、駅はあっちだとよ教えられた。
違う地下鉄に乗りたいんじゃない・・・・・・・
でも、次の人に訊ねたとき知りたかった答えが返ってきた。
どうも、駅の前のバス停ではなく、駅から降りてちょっと行ったところのバス停が、目的のバス停だったらしい。
お礼を言い、不安を抱きながらも、何とかバスを見つける。
没有手机的余额(携帯電話の残高がない)
香港の空港に到着する。
たしか青衣から空港までは、9.4HKDだったと思う。日本円にしたら、100円くらい?安い。
さて、友人が到着するまで待つ。
友人が使ってる携帯は国際電話が掛けられないタイプらしいが、受信はできる。
中国の携帯だが、香港は国際電話扱いになるようだ。自分の携帯は幸い、海外でも発信できるようにしている。
だが、SIMカードの残高は正直不安だった。
中国を去る直前、あまりお金残っていなかった。香港空港に到着してから確認したが、やっぱりあまり残っていなかったっと思う。
なんとかなるかな・・・不安でいっぱいだった。
「ついた?」
「まだだよ」
「ついた?」
「まだだよ」
向こうから連絡が取れないため、定期的にこっちから連絡をしていた。
しかしこれではすぐにSIMの残高が消えそうだったので、メッセージを送ってみる。
「ロビーで待ってるね、ロビーの○○ってところ」
そんなメッセージを送る。しかし実際、彼女がメッセージを受け取ったかどうかは定かではなかった。
そして、ついに到着したらしい。
「27番ロビーに来て」
そう言われた。了解。
で、そのロビーを探すが見つからない。どこ?
電話を掛ける。
「ねえ、そのロビー見つからないんだけど、どこにあるの」
「27番だよ」
「オレ今、○○ってところにいるけど、そっちから来れない」
「えーっとねえ・・・ブツゥ!
アレ?
電話が途切れる。
そして携帯電話会社から届くSMS.「SIMの残量がなくなりました」
お金が切れたのだ。電話ができない。
幸い、中国のクレジットカードの中に、50元入っている。50元でチャージできるはずだ。
ところが・・・・チャージするためのSIM番号が分からない。パッケージはホテルにあった。畜生。
「電話ができなくなった、お金が尽きた」
SMSはまだ送信できたので、送信しておく。ただし相手は返信できない。
没有零钱(おつりがない)
まだ慌てるような時間じゃない。
公衆電話があるこれを使えばいい。
相手の電話番号は当然知ってるんだ。
てことで、公衆電話から電話を掛ける。
「今、公衆電話から電話かけてる。メッセージ見た?」
「みたよ、どうしよう」
「ねえ、そこどこ?」
「だから27番ロビーだって」
「あ、まずい、電話が切れる・・・!」
公衆電話は瞬く間に、その度数を費やした。国際電話扱いだからすごい勢いでなくなっていく。
そのうえ、細かいお金しか使えない。まあそもそもお金持ってないんだけどね・・・
ところが、実は、日本語教師のお金が振り込まれていることが判明した。
朝は振り込まれてなかったのに・・・・くそう、じゃあ、あのバスとかの苦労は何だったのだ?
お金をおろす。お金をおろすのはいいが、しかし、公衆電話で電話をかけれないことには変わりなかった。細かいお金がないのだ。
航空スタッフに両替できないか聞いてみたら、「あそこに店があるから、そこでしてもらいなさい」とさ。
コンビニや小さなお土産ショップのようなものがある。
お土産ショップで両替できないか聞いてみたが、「ここで買ってくれたらいいよ」と。その店は、高いものしか置いてないし、ごめんだった。
仕方なかった。しかし、ちょっとおなかもすいてきたので、パン屋でパンを買う。
そのそのおつりで再び電話を。
「もしもし、ごめん。お金が無くなっちゃって」
「どうしよう」
「ねえ、そこはどこなの?」
「だから27番って、そっちは?」
「○○ってところ」
「ツーツーツーツー・・・・・」
また切れた。すごい勢いでお金なくなっていく。いや、そもそも細かいお金が少ないのだ。
今度は、セブンイレブンでハイチュウを購入。そして、お釣りをもらう。
確か50HKDで購入して、20HLD×2と、あとはコインでもらったと思う。20HKDはお札なので、公衆電話で扱えない。
「ねえ、この20HKD細かいのにしてよ」
「無理」
・・・・・・・・・・・・・・・・
しょうがない、残りの細かいお金で電話するか。
不行进去・不行出来(出られない・入られない)
セブンのハイチュウで作った、たぶん3HKDとか4HKDくらいのお金で、電話を掛ける。
「ねえ、オレ、○○ロビーにいるんだけど、そっちがいう27番ロビーには入れないんだよね」
「わかったこっちが行くわ」
「ありがとう、谢谢」
てことで、オレは出口のゲートで、彼女が出てくるのを待っていた。出口は二か所あるから、どっちから出てくるかはわからないが、その人は長身のフランス人で目立つからすぐにわかるだろう。そう思っていた。
しかし待てども待てども来ない。逃したか?
その時携帯に電話がかかってくる。知らない番号。誰だ?
彼女か?
「もしもし」
「ああ、私。いま携帯を借りてる」
「あ、そうなんだ」
「でさ、27番ゲートにこれないの?」
「これないよ。俺が今いる場所は○○で、俺は27番ゲートには行けない。搭乗する人じゃないと無理みたいだ」
「私もよ、ごめん、入れない」
「え? どういうこと?」
「私、27番ゲートでフランス行きの飛行機に乗るの、23時のね」
「は?」
「それで出れないの」
「・・・ああなるほど・・・・・」
「どうにかして入れないの」
「えーっと・・・」
そんなやりとりをしていると、おそらく電話の持ち主であろう中国人に代わった。
マシンガントークのように話しかけてくるが、早すぎて全部は聞き取れない。
「え、中国人じゃないの、あんた?」
「違います」
電話の向こうからも、彼女が違うといっている声が聞こえた。
手詰まりだった。
27番ゲートには入れないし、彼女もそこから出れないのだ。
有Facebook・有无线(Facebookがある・無線がある)
その後、一回電話が切れる。
そこから連絡をつけるのが大変だった。
どうしようもない。また、細かいお金を作るか?しかし非効率的だ……
しかしその時気づく。Facebookがある。
香港空港にはwifiが完備されてた。だめもとで、SMSを送る。
「facebookで話さない? 無料wifiがあるから、それでつなげる」
彼女の携帯がどういうものかはしらなかったが、スマートフォンのように思えた。
一度だけ見たことがある。Androidには見えなかったが・・・
Symbiaか、WindowsMobileか。
暫く待つと、Facebook上にメッセージが届く
「できた」
「良かった」
「ごめんなさい、私は外に出れないし、もうどうしようもないわ。万策尽きた。本当にごめん」
「いや、オレが忘れたんだし、ここまで持ってきてもらって本当に申し訳ない」
「フランスに帰ったら送るよ」
「そうしてくれるとありがたい、ありがとう。本当に感謝している」
そんなこんなで、事なきを得ました。結果から見れば空港行かなくてもよかったんですが・・・まあまあ・・・
しかし本当に申し訳ないことをした。
彼女もそうだし、このやりとりの前には、ルームメイトの韓国人や、フランス人の友人のスペイン人にも協力してもらった。
一緒に香港を旅したロシア人も「校舎に戻ったら確認するよ!」と温かい言葉を。
まあ彼らには呆れられただろう。
それとそのフランス人の人が
「私が香港に来るのはいいんだけど、問題は、空港でこの荷物を持ち運べるか、ってことなんだけど」
と問われる。
なにせ忘れた荷物はIS04,LGp500,iPodtouch,ポータブルHDD,携帯充電器,パソコンACアダプターetc
ガジェットグッツてんこもりである。
「没有问题,我过国境的时候每次都带这样多的手机(問題ない、国境またぐときいつもそんな多くの携帯持ってるから)!」
そう、答えておいた。まあ実際問題なかったし。
しかし、己の迂闊さ、呪ったよ。
その後フランスからではなく、ドイツから荷物が送られることとなるが、まあその辺の事情は以前書いたので省略。
以下に書いた。
帰国 そして、携帯電話を忘れる
中国に忘れた荷物をようやく受け取る
なお、台詞とかはうろおぼえ。だいたいこんな感じ。
まあ、しかし、香港空港での出来事は結構疲れて肝の縮こまる思いをしたね。
そして再三だけど、己の迂闊さを呪った。
この出来事がなければ、オレは一日ゆっくり香港をぶらぶらできたのだからね。
あるいは、日本語教師のアルバイト代が入ることが分かっていれば、船に乗って大学戻って、とんぼ返りで香港に戻るって手もあったわけだ。まあその場合往復400HKDくらいとられる。けども。
けども・・・はるかに安上がり。
ともかくお金がないというのはつらかった。
もともと、この騒動がなくてもぎりぎりだよなーって思っていたから。。。
実際ギリギリだったしね。
異国の地でお金がないっていうのは、実際困る辛い・・・・。。。
あと香港には二回言ったけれども、九龍と中環周辺、あとヴィクトリアピークくらいしか行けなかった。もっといろいろまわりたかった、というのがある。
まあ電脳街に行けたのは良かったけどね。
それと、友人と無計画に適当な駅で降りたけど、なーんもなくて、ただ住宅街があって、学生たちが登校していて、なんもおもしろくないんだけど、そういう何気ない生活風景も素敵だったな。。
ああ、香港また行きたい。。。
留学での思い出話
中国での思い出、北京旅行1
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香港と香港空港での思い出話
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