最近ボードゲームにはまっているので、ボードゲームのレビューをしていきたいと思います。
『クー(Coup)』 New Games Order
人数:3〜6人
所要時間:15分程度 (体感的に6人で30分くらい?)
大きさ:小さい(12*9.5*2 cm)
内容は カード15枚 小さなコイン30枚ほど? 早見表6枚
箱の大きさとして、一般的なUNOみたいな感じ。
<ルール>
ゲーム概要
コインを集めつつ、相手を倒していくゲーム。
ライフが2あって、そのライフ2を失えばゲームから退場。
ライフは=手札となります。
つまり2枚の手札=ライフを持ってゲームを始めます。手札がなくなったら負け。
プレイヤーは自分の手番で一回の行動を行えます。
収入:コイン+1
援助:コイン+2
徴税(公爵):コイン+3
強奪(船長):好きなプレイヤーからコインを2枚奪う
交換(大使):デッキからカードを2枚引き、手札のカードと1枚交換するか交換しないままデッキに戻す
暗殺(暗殺者):コイン3枚を消費して、一人の手札を1枚捨て札にする(ライフを1失わせる)
クー:コイン7枚を消費して、一人の手札を1枚捨て札にする(ライフを1失わせる)
明らかに下位互換の能力がありますね。それには理由があります。手札に配られるカードですが、そのカードがなければ使えないアクションがあります。徴税、強奪、暗殺などがそれに当たります。
さらにブロックシステムもあるので、完全に下位互換というわけではないです。
援助―公爵にブロックされる。
強奪―船長、大使にブロックされる。
暗殺―女伯にブロックされる。
他のものはブロックされません。つまりコイン+1の援助や、コインを7枚使うクーなどは誰にも邪魔されず行動できるという点で優れています。その代り見返りが少なかったり、コインの消費が激しかったりします。
アクションとブロックをお互いに繰り返し、コインを集め、クーや暗殺で相手のライフを削っていけば勝ちです(手札をなくしたら)。
チャレンジ(ダウト)について
さて、特定のアクションは特定のカードを持っていなければ実行できません。
例えば徴税(コイン+3)は公爵カードの特有の能力です。
ところがこのゲームは手札を常に隠して行います。
だから徴税を行っても本当に、公爵カードを持っているかどうかは分からないのです。
このゲームの肝はここにあります。
全てのプレイヤーは、手番中、どの行動でも行えます(コストが必要なものは、コストを払えば)。
つまり船長カードを持っていなくても、交換でカード交換したり、暗殺者カード持ってなくても暗殺していいのです。
他のプレイヤーはそれが嘘だと思えば、チャレンジを宣言します。チャレンジとは「あなた嘘を付いていますね、そのカードを持ってないですね」という意思表示です。例えば公爵カード持っていないのに、徴税しているプレイヤーにチャレンジをすれば成功となります。成功すれば、チャレンジされたプレイヤーは、その徴税に失敗したうえに、ライフを一つ失います。嘘を付くのにもリスクがいりますね。
では、ちゃんとカードを持っていたのにチャレンジした場合は?(チャレンジ失敗したら?)
そしたら、チャレンジをしたプレイヤーがライフを一つ失います。
チャレンジするのもリスクがいるのです。以下、行動をまとめました。
収入:コイン+1
援助:コイン+2 公爵でブロック。
徴税(公爵):コイン+3
強奪(船長):好きなプレイヤーからコインを2枚奪う 大使・船長でブロック。
交換(大使):デッキからカードを2枚引き、手札のカードと1枚交換するか交換しないままデッキに戻す
暗殺(暗殺者):コイン3枚を消費して、一人の手札を1枚捨て札にする(ライフを1失わせる) 女伯でブロック。
クー:コイン7枚を消費して、一人の手札を1枚捨て札にする(ライフを1失わせる)
役職カード
大使:交換の能力を持つ。強奪をブロックできる。
公爵:徴税の能力を持つ。援助をブロックできる。
暗殺者:暗殺の能力を持つ。
船長:強奪の能力を持つ。強奪をブロックできる。
女伯:暗殺をブロックできる。
ゲーム初期状態
全てのプレイヤーがコイン2枚 カード2枚を持つ
<感想> 個人評価 8/10
面白い。非常に面白く、好みです。
強烈なジレンマがあります。
チャレンジ(ダウト)をする必要があるのですが、チャレンジ自体に積極的なメリットがありません。
相手を倒すだけであって、直接的に自分が利するわけではありません。
むしろ失敗したら、大切なライフが減るという強烈なデメリットがあります(ライフは2しかなく、しかも回復しないから1でも失うのはつらい)。
つまりチャレンジはしにくい。しにくいが……、かといって公爵の徴税(コイン+3)を軽軽に許してはならない。さらに言えば、船長の強奪(コインを2奪われる)を1度でも自分に対して許してしまえば、その時点でほぼ負けが確定する。なぜなら、ほかのプレイヤーからも毟り取られるからだ。さらに強奪が許される=大使を持っていないから、手札交換ができない。
つまりチャレンジするデメリットは大きいものの、チャレンジしないはしないで、まずいのである。
そうと知りつつも、自分のライフをベットにしてチャレンジ宣言は勇気がいる。その勇気が試されるゲームでもあると思う。
あと、短時間で終わるのがいい。ライフが回復する仕組みはないので、終わるのが早い。
何べんでも遊べる。
ライフが2あっても、一度の行動で一気にゲームから退場することもある。スリルと緊張感があります。
またプレイ人数分の早見表が入っているので、初心者もやりやすいです。
このゲーム嘘を付くときは堂々と素早く嘘を付く必要があります。迷う必要はありません。
迷えばすぐにチャレンジされます。
とくに、暗殺を女伯でブロックするときは、本当に堂々としないと……一瞬でゲームから退場になってしまいます。
カードの能力もどれが強いかというのは微妙なところです。
最初はコイン3つで暗殺のできる、暗殺者やそれを防いでくれる女伯が強そうだなと思ってました。この2枚持ってれば最強ではない?と思いました。しかし、何度かゲームをやるうちに、そのカードだとなかなか辛い事が分かりました。
むろん、うまく嘘を付いていけば問題ないですが。
特に女伯は、暗殺ブロック以外に能力がありません。これはなかなか問題です。消極的な能力です。
序盤は本当に役に立ちません。終盤では必要かも。
むしろ弱いなーと思っていた大使が意外にも重要なキーカードであることが分かります。
強奪を防げるというのはかなり便利な能力です。
強奪は、本当に許してはいけません。あるいは、毅然とチャレンジする態度を示しておく必要があります。
ラベル:ボードゲーム